LETTERS 〜日常にある、ココロあたたまるお話〜

さよならさんかく、また来てしかく

投稿者:はなまる笑顔

イラスト

私が36歳の時88歳の祖母が入院した。10年以上前から足腰が悪かったところへ脳梗塞になり階段で転んだためだった。
あんなにちゃきちゃきしていた祖母が見舞いに行くととても小さく、か細く見えてせつなかった。幸いリハビリをすれば言葉は出るようになるだろうと言われたが、体のほうは車いすでの生活になると言われた。
1人娘の母は毎日祖母に付き添い、リハビリにと折り紙やお手玉を持ち込んでいた。昔祖母がお手玉を器用に投げて見せてくれたのを思い出した。小さい頃祖母の家に行くと必ず三ツ矢サイダーを出してくれた。祖母がじゃり道を歩いて買ってきてくれたサイダー。小さいころ何気なく飲んでいたけど、愛情がいっぱい詰まっていたんだと、いまさらながらに思う。
家に帰るとき祖母が「また来てね。さよならさんかく、また来てしかく。」といって笑わせてくれたのを思い出す。入院し3カ月が過ぎたころ見舞いの帰り「おばあちゃんが、ちぃにって」母が渡してくれたのは昔と変わらない三ツ矢サイダーだった。「さよならさんかく、また来てしかく」と祖母に言われ、覚えていてくれたんだという気持ちと、回復しているという安堵感であの時いっぱいだった。
去年祖母は亡くなってしまったけれど、私の中で優しくて楽しい祖母との想い出は生きている。これからもずっと。

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