LETTERS 〜日常にある、ココロあたたまるお話〜

いないいない

投稿者:サンシャイン

イラスト

小さい頃の私は泣き虫でした。内気で人見知りな私は、いつも母のエプロンの裾をつかんで歩いていました。泣きだすと一時間でも二時間でもしくしく、めそめそ泣いているそんな女の子でした。
当時週末しか帰らない父がおまじないと言って「いないいない・・・ばぁ」と言って、私の目をかくしほっぺたに冷えたバヤリースの瓶を押しあてたことがありました。「ほら、おいしいの飲みたかったら泣きやんで」たまにしか会えない父の精いっぱいの愛情表現でした。うれしくてうれしくて、鼻をすすって飲んでました。「また来週帰ったら一緒に飲もうね」
あれから二十年以上たち父との晩酌をするたびに泣き虫だったころを思い出します。甘酸っぱいオレンジジュースの味と一緒に。

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