LETTERS 〜日常にある、ココロあたたまるお話〜

再会

投稿者:次男坊

イラスト

それは45年間、思い続けたことだった。
他県の市役所からの突然の一通の封筒が。なんだろう? 宛名は私だった。意味不明のまま、封を開けた。私は驚いた。45年前私が5歳のときに父と離婚した実母の消息が書かれていた。実母は75歳。市役所に相談して生活保護願いを出し、実子の私に市役所から封書がきたのだ。
封書には母の住所が書いてあり、しばらく考えた。会いたい。一目見たい。私は母の家に車を走らせた。母の平屋のアパート近くに車を止めて、歩いて行き。私が母の家を覗くと「なんですか?」と母らしき人。顔を見た。紛れもなく、私の実母だ。5歳のときの私の記憶の母より痩せ細っていたが、目を見て間違えないと確信した。私は名前を言った。母は無言で涙を流した。「ごめんね...」と何度も繰り返し言った。
その晩の夕飯は母の家で、食べることになりスーパーに買い出しに。母は「お酒は飲めるの?」と聞いてきたので私は「毎晩ビールを晩酌に」と言い母は「ビールは何を?」私は「いつもスーパードライだよ」と言ったら「親子だね同じだ!」と笑みを。その日のスーパードライは45年間生き別れた母と飲んだ格別な味でした。

前の投稿

2011年トップページへ戻る

次の投稿